「東洋学術研究」 通巻184号(第59巻第1号)
2020年5月発行
1,362円(税込)
■2019年は、マハトマ・ガンジー⽣誕150周年であり、東洋哲学研究所創⽴者である池⽥⼤作SGI会⻑が、ノーベル平和賞を受賞した⼈権の闘⼠アドルフォ・ペレス=エスキベル博⼠とともに編んだ対談集『⼈権の世紀へのメッセージ』の発刊から10周年の佳節である。研究所では、創⽴者が発信してきた⼈権への指針を通し、21世紀の⼈権の指標を広く⽰していくことを目的とした連続公開講演会「⼈類の未来と⼈権」を2019年10月から12月にかけて東京と仙台で開催した。本号の特集1では、この講演会で登壇した4人による発表内容を収録した。また前号(第58巻第2号)に引き続き、特集2「シルクロード――仏教東漸の道(2)」を掲載。7人の研究者による論稿を紹介する。
※掲載時の役職は当時のものです。なお、これまでに発刊された「東洋学術研究」から、主な論文については、ホームページ内の「論文検索」から閲覧することができます。
※ご購入のしかたについては、「ご購入の方法」をご覧下さい。
内容
■特集1「人類の未来と人権」
(連続公開講演会より)
キリスト教における神権と人権
… 佐藤優(同志社大学客員教授・名桜大学客員教授)
「生命尊厳」の哲学を世界精神へ
… 桐ケ谷章(東洋哲学研究所所長)
マイノリティと個人の尊厳:LGBTという言葉から考える
… 池田弘乃(山形大学准教授)
「人権」の位置と形成―近世・近代の歴史体験から
… 黒住真(東京大学名誉教授)
■特集2「シルクロード――仏教東漸の道(2)」
ガンダーラからバクトリアを経て中国へ伝わった大乗仏教
… 辛嶋静志(創価大学国際仏教学高等研究所前所長、元教授)
タルミタ=テルメズの仏教建築の歴史に関して
… シャキルジャン・R・ピダエフ(ウズベキスタン共和国科学アカデミー芸術学研究所所長)
クシャノ・ササン朝時代のガンダーラ――ラニガト仏教寺院址の発掘を通して――
… 小谷仲男(京都女子大学元教授・富山大学名誉教授)
キルギスタン・チュー川流域における中世仏教の考古遺産(前編)
… ヴァレリー・A・コルチェンコ(キルギス共和国国立科学アカデミー歴史・考古・民俗学研究所研究員)
法華経の東漸―図像を中心に―
… 小山満(東洋哲学研究所委嘱研究員・創価大学名誉教授)
『瑜伽師地論』に対する未知の注釈書の梵文写本断簡―予備的報告―
… 張涵静(中国宗教研究センター助理研究員)/葉少勇(北京大学准教授)
■寄稿
ブライアン・ホートン・ホジソン(1800-1894年)――ヒマラヤ地方における総合調査のパイオニア――
… タチヤナ・V・エルマコワ(ロシア科学アカデミー東洋古文書研究所上級研究員)
■書評
菅野博史訳注『現代語訳 法華玄義』(東洋哲学研究所、2018-19年)
… 末木文美士(国際日本文化研究センター名誉教授・東京大学名誉教授)
斎藤慶典著『「東洋」哲学の根本問題 あるいは井筒俊彦』(講談社選書メチエ、2018年)… 山崎達也(東洋哲学研究所研究員)
〈研究覚え書き〉
「大東亜戦争」と道義
… 松井慎一郎(東洋哲学研究所委嘱研究員)
ルーミー思想と日蓮仏法の善悪観
… 稲見誉弘(東洋哲学研究所委嘱研究員)