「東洋学術研究」 通巻174号(第54巻第1号)
内容
■ 特集は「地球文明への道」。東洋哲学研究所では、2014年度の連続公開講演会の統一テーマを「地球文明への道」とし、次のように開催趣旨を定めて、各界の学識者を招聘してきた。
「目まぐるしい変化を続ける21世紀の世界は、経済や政治的問題だけでなく、環境問題や自然災害など、人類が直面する課題はかつてないほど多様化し、その深刻度を増している。人類の生存をもおびやかしかねない地球規模での危機を前に、人類がどのように生き、持続可能な成長を遂げていくことができるのか――本連続公開講演会では、こうした点を踏まえ、『地球文明への道』を統一テーマとして掲げる。諸問題を、『地球環境問題』『政治・社会・経済の問題群』『人間の精神性の危機』の3つに大別し、それぞれに対して、『大自然との共生』『人類の平和共存』、そして『人間の精神の変革』を打ち立てゆく方途を見出しながら、全人類的な『地球文明』創出への展望を探っていく」
この趣旨に基づいて開催された全5回の講演会から4回(※前号の第53巻第2号・通巻173号に掲載されたシェリル・デーシャ氏/オーストラリア・クイーンズランド工科大学上級講師の講演を除く)を収録。
■「社会と宗教」セミナーでの大沼保昭氏(明治大学特任教授)の講演、特別公開講演会でのライハナ・アブドゥーラ博士(マレーシア・マラヤ大学人文学研究クラスタ副院長)の講演、ドイツでのミヒャエル・フォン・ブリュック氏(ミュンヘン大学元教授)による講演を掲載。
■また今号では、中国・肇慶学院 外国語学院院長である原青林氏の寄稿、東洋哲学研究所が創価学会との共同事業により推進してきた「法華経写本シリーズ」の概要を紹介。
※ご購入のしかたについては、「ご購入の方法」をご覧下さい。
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■特集「地球文明への道」
○連続公開講演会より
「地球文明」の肖像――比較文明学の旅路から … 吉澤五郎(比較文明学会元会長)
宇宙から考える文明 … 松井孝典(千葉工業大学惑星探査研究センター所長)
地球文明と生命価値経済システム … 八巻節夫(東洋大学名誉教授)
■「社会と宗教」セミナーより
文明史の観点から見た21世紀の世界 … 大沼保昭(明治大学特任教授)
■公開講演会より
文明間対話における女性と青年 … ライハナ・アブドゥーラ(マラヤ大学人文学研究クラスタ副院長)
ルターと日蓮――世界の両端の宗教改革者 … ミヒャエル・フォン・ブリュック(ミュンヘン大学元教授)
■寄稿より
デューイと池田大作氏の「生徒の成長観」における比較と考察 … 原青林(肇慶学院 外国語学院院長)
〈研究覚え書き〉
哲学は、巡り会いを超えるか? … 山口力(東洋哲学研究所委嘱研究員)
■法華経写本シリーズ