「東洋学術研究」 通巻191号(第62巻第2号)
2023年11月発行
1,400円(税込)
ISBN 978-4885960819
『東洋学術研究』第62巻第1号に引き続き特集「平和への闘争」第2弾を掲載する。益々深刻化する環境問題や戦争などの複雑で多様化する地球的課題に対し、人類としてどう向き合うべきかを、国際法の枠組み、歴史、宗教、福祉の観点を通じ考察する論文や講演録を掲載。企画「激動の時代を生きた人と思想」では、ナチス・ドイツ時代を生きた政治哲学者ハンナ・アーレントを取り上げる。哲学者の森一郎氏が、アーレント『革命論』から見出す現代日本の政治哲学の可能性を論じる。そして、特別てい談「東洋哲学の現在――始原とは何か」では、『東洋学術研究』第60巻第2号(2021年11月発刊)で掲載したてい談「東洋哲学とは何か」に引き続き、東洋哲学の再検討をめぐる議論を紹介。その他、コラム、寄稿、研究覚え書きを収める。
※掲載時の役職は当時のものです。なお、これまでに発刊された「東洋学術研究」から、主な論文については、ホームページ内の「論文検索」から閲覧することができます。
内容
■特集 平和への闘争(2)
○特別寄稿
公正な不戦世界を目指して――ガンジーにみる非暴力と不殺生のグローバルな変革――
… ニーラカンタ・ラダクリシュナン(ガンジー研究評議会議長)/訳・山岸伸夫(東洋哲学研究所委嘱研究員)
地球を守り平和的共生をめざす――人新世はなぜ重要か
… サティーシュ・M・クマール(東洋哲学研究所海外研究員、クイーンズ大学ベルファスト上級講師)/訳・清水光子(東洋哲学研究所出版事業部)
○「文明論」レクチャーより
人類文明と覇権主義――世界を見つめ歴史を綴る――
… 服部英二(元ユネスコ事務局長顧問、麗澤大学国際研究所客員教授、日本比較文明学会名誉理事)
○第37回学術大会シンポジウムより
国際公共財としての国際法と宗教――ロシアのウクライナ侵略への諸国家の対応とビーグル海峡危機におけるローマ教皇庁の仲介をめぐって――
… 中谷和弘(東京大学大学院教授)
二十一世紀の戦争、平和、尊厳
… 峯陽一(同志社大学教授)
「戦争」を乗り越える人間の創造性――池田SGI会長の平和提言に学ぶ――
… 玉井秀樹(東洋哲学研究所委嘱研究員)
幸福平和学の試み――戦争に抗(あらが)う福祉的安全保障――
… 岩木秀樹(東洋哲学研究所研究員)
パネルディスカッションおよび質疑応答
■コラム シルクロード(絲綢之路)④
イスタンブル
… 大村次郷(写真家)
■激動の時代を生きた人と思想②――ハンナ・アーレント――
権力・権威・憲法――アーレント『革命論』を現代日本で読む
… 森一郎(東北大学教授)
■特別てい談
東洋哲学の現在――始原とは何か
… 斎藤慶典(慶應義塾大学教授)、安藤礼二(多摩美術大学教授)、山崎達也(東洋哲学研究所主任研究員)
■寄稿
イスラームにおける災害の捉え方――2023年トルコ・シリア大地震をめぐる世論と宗教者の活動――
… ダヌシュマン・イドリス(立命館大学准教授)
■研究覚え書き
最高裁の「違憲判決」
… 山田隆司(東洋哲学研究所委嘱研究員)