「東洋学術研究」 通巻190号(第62巻第1号)
2023年5月発行
1,400円(税込)
ISBN 978-4885960680
『東洋学術研究』第62巻第1号の特集1「平和への闘争」シリーズ(1)として、特別てい談「平和への闘争——危機の時代を乗り越える哲学と対話——」などを掲載。さらに、連続公開講演会「地球的危機の『挑戦』と宗教・文明の『応戦』――パンデミックを契機として」の講演録を収録している。
そのほかにも「近代日本における価値哲学者の群像」の最終回(5)、コラム、寄稿、新刊紹介など盛りだくさんの内容である。表紙写真は、作家・平和運動家として活躍したオーストリアのベルタ・フォン・ズットーナー(1843-1914)。
※掲載時の役職は当時のものです。なお、これまでに発刊された「東洋学術研究」から、主な論文については、ホームページ内の「論文検索」から閲覧することができます。
内容
■【特集1】平和への闘争(1)
特別てい談 平和への闘争――危機の時代を乗り越える哲学と対話――
… 新井 立志(ケント州立大学准教授)、尾形 哲史(アメリカ創価大学・地球的問題群研究センター長)、中山 雅司(東洋哲学研究所委嘱研究員)
寄稿 ロシアという名のミメーシス的な主体について――ドストエフスキーをめぐるポリフォニー、ユーラシア主義など――
… 寒河江 光徳(東洋哲学研究所委嘱研究員)
■【特集2】地球的危機の「挑戦」と宗教・文明の「応戦」――パンデミックを契機として(連続公開講演会より)
疫病・紛争・飢饉に対する宗教の課題と役割――『二十一世紀への対話』を題材として――
… 井上 大介(東洋哲学研究所研究員)
人類の文明と文化再考
… 鈴木 董(東京大学名誉教授)
イスラームとの対話から見る共生――世界宗教の視座から――
… 子島 進(東洋大学教授)
ベルタ・フォン・ズットナーの文学と平和運動――トインビー・池田対談の視点を交えて――
… 糸井川 修(愛知学院大学教授)
■激動の時代を生きた人と思想➀――アフマッド・シャー・マスード――
インタビュー アフガニスタンのイスラム戦士マスードの平和への闘い
… 長倉 洋海(写真家)
■最終回 近代日本における価値哲学者の群像(5)
序――新カント派価値哲学とその受容史(5・結)
… 伊藤 貴雄(東洋哲学研究所研究員)
横光利一における「唯心論」と「唯物論」――「機械」をめぐって――
… 位田 将司(日本大学准教授)
大正期における文化論争と土田杏村のプロレットカルト論
… 大木 康充(大東文化大学非常勤講師)
土田杏村と『象徴の哲学』――西田幾多郎との関係をめぐって――
… 鈴木 亮三(岡山大学客員研究員)
近代日本における新カント学派受容史研究の対象と方法
国際/グローバル文化交流論からの考察と展望(下)
… 芝崎 厚士(駒澤大学教授)
■コラム
シルクロード(絲綢之路)➂「カトマンズ盆地」
… 大村 次郷(写真家)
■寄稿
人間の利他性と持続可能な経済システム――仏法ヒューマニズムの視点から――
… 河合 伸(東日本国際大学教授、同大学東洋思想研究所研究員)
■新刊紹介
シルクロード研究論集 第1巻『仏教東漸の道 インド・中央アジア篇』東洋哲学研究所編
… 川崎 建三(東洋哲学研究所委嘱研究員)
〈研究覚え書き〉
平和創出とNGOの草の根活動
… 大島 京子(東洋哲学研究所委嘱研究員)
自己・社会・環境の三つの範疇の関係――多様性の調和による統合の原理に学ぶ――
… 光國 光七郎(東洋哲学研究所委嘱研究員)