- HOME
- 論文・出版物
- 単行本・研究所編纂出版物
- 宗教間対話に向けて(大乗仏教の挑戦10)
宗教間対話に向けて(大乗仏教の挑戦10)
内容
内容
序 「宗教間の対話」に向けて |
川田 洋一 |
第1章 創価学会インタナショナルの宗教間対話 |
川田 洋一 |
第2章 キリスト教と諸宗教 宗教の神学 |
柳沼 正広 |
第3章 仏教と中国思想との対話・交流――仏教と道教の事例を中心に―― |
松森 秀幸 |
第4章 ガンディーと仏教――池田SGI会長の視点 |
栗原 淑江 |
第5章 イスラームから仏教への哲学的呼びかけ――存在一性論と空の哲学―― |
山崎 達也 |
第6章 もう一つの「対話」的営みとしての宗教研究 |
平良 直 |
東洋哲学研究所編『大乗仏教の挑戦』シリーズ完結本として、同シリーズ10冊目となる本書は、本研究所の研究員が自らの専門分野から、「宗教間対話に向けて」をテーマにした考察を収録したものです。各章概要は次のようになっています。※ご購入のしかたについては、「ご購入の方法」をご覧下さい。
※ ※ ※
本研究所の川田洋一所長による第1章「創価学会インタナショナルの宗教間対話」では、「宗教間対話」のあり方として「積極的寛容」を提示しています。それは①それぞれの宗教が「原点の心」に基づく、②「独自性」と「共通性」を自覚する、③自己の宗教の「創造的発展」、④人類的課題の克服に協調することを目的とする、この四段階を踏んでいます。この原則から、SGIがこれまで行ってきたキリスト教、イスラームなどとの対話運動を具体的に取り上げ、そうした対話の努力による宗教性に輝く「精神文明」を築きゆく道を示している。
柳沼正広研究員による第2章「キリスト教と諸宗教 宗教の神学」では、キリスト教が他の諸宗教をどのように考えてきたかが述べられています。諸宗教に対する考え方として、排他主義、包括主義、多元主義、多元主義への批判を取り上げています。他宗教を理解する努力のなかで、自身の宗教への理解や反省が深められていく宗教間対話の持つ重要性について論じています。
松森秀幸研究員による第3章「仏教と中国思想との対話・交流――仏教と道教の事例を中心に――」では、中国における中心的な思想である儒教に対して、外来宗教である仏教と、儒教より後に成立した道教が、自らの立場を主張しつつ、互いに交流と対話を行ってきた歴史を辿っています。
栗原淑江主任研究員による第4章「ガンディーと仏教――池田SGI会長の視点」では、時を隔ててインドに誕生したブッダとガンディーの思想と闘争に共通点があることを指摘。ガンディーと仏教を巡る問題について、本研究所の創立者である池田SGI会長の視点を通じた検討を行っています。
山崎逹也研究員の第5章「イスラームから仏教への哲学的呼びかけ――存在一性論と空の哲学――」では、イスラームと仏教との哲学的な関係が考察されています。イスラームが仏教をどのように見ているかに始まり、イスラームにおける「存在一性論」と仏教の「空」などの概念の比較を試みています。イスラーム、仏教などの東洋の宗教思想に共通する根源的な流れを意識しつつ、結論として宗教間対話に留まることなく、「東洋哲学」の構築の可能性を呼び掛けています。
第6章の平良直研究員による「もう一つの『対話』的営みとしての宗教研究」では、宗教間対話を直接扱う論文ではありませんが、宗教の研究はそれ自体が「対話」的な特性を持っているとし、他者の宗教を対象とする時の「対話」的な営みなどについて掘り下げた考察が行われています。