2024. 12. 21
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第4回連続公開講演会「AIと信仰・宗教・思想」
【全4回】連続公開講演会「AIと信仰・宗教・思想」開催趣旨はこちら
講 師:師 茂樹氏(花園大学教授)
テーマ:死者への冒涜なのか、新たな宗教体験なのか:AIによる死者/聖人の再現をめぐって
要 旨:要旨はこちら
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◆開催日:2024年12月21日
◆方 式:YouTubeライブ配信(オンライン)
講演内容は「東洋学術研究」に掲載予定
講演では、AIによる死者や聖人の再現という問題について、それが冒涜なのか、あるいは新たな宗教体験となり得るのかという観点から考察を展開。メディアで話題となった実際の事例を複数取り上げながら、死者の再現をめぐる賛否両論を分析し、特に死者や聖者との伝統的な接点が失われつつある現代社会において、AIによる再現技術が持つ可能性と課題について論じた。また、死者への追悼や供養の本質を問い直し、それが「生者の都合」に過ぎないのではないかという根源的な問いも投げかけた。こうした考察を通じて、AIによる死者・聖者の再現は、冒涜的な表現を避けることを大前提としながらも、残された人々の喪失感を「調整」するものとして、あるいは社会的な問題解決の手段として、さらには多様で豊かな死者・聖者観を持つ可能性を秘めていると指摘。その上で、死生観は急速には変化しないという認識のもと、再現されたものに対する「違和感」の重要性を強調した。 そして、AIに使われるのではなく、AIを使う側の基軸として宗教・哲学が重要であるとの認識を示した。