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第3回連続公開講演会「地球的危機の『挑戦』と宗教・文明の『応戦』――パンデミックを契機として」
◆テーマ:イスラームとの対話から見る共生――世界宗教の視座から
◆開催日:2022年12月3日
◆方式:YouTubeライブ配信(オンライン)
連続公開講演会「地球的危機の『挑戦』と宗教・文明の『応戦』――パンデミックを契機として」開催趣旨
講演内容は「東洋学術研究」に掲載予定
子島進氏は、早稲田大学、立教大学大学院修士課程を経て、総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程修了。文学博士号を取得。研究領域は、文化人類学、南アジア地域研究で、特にパキスタンを中心としてイスラーム圏の NGO・ボランティア活動の研究に従事。近年は、在日のイスラーム教徒のコミュニティ形成に関する調査や東日本大震災を契機として、福島県いわき市で生まれたボランティア・ネットワークに関する研究を継続している。
講演では、自身のフィールドワークでの調査や経験を通して、イスラームコミュニティの現実や内在する論理などに言及。「世界宗教であるイスラームは、歴史上有数の都市文明を発展させてきました。宗教思想に基づいたまちづくりを積み重ねてきており、その経験は現在のコミュニティ形成においても活用されています。イスラームの礼拝所であるモスクの開設がその出発点と言えます。イスラームの『普遍性』に基づくコミュニティ作りが進むと、結果としてわれわれとかれらという境界が生まれます」と強調。「しかし、そのことは、互いの交流の妨げにはなってきませんでした。なぜならば、コミュニティ作りを進める一方で、ムスリムが日本社会に貢献することに心を砕いてもきたからです」と語った。
さらに、移民が増加する日本社会にあって、イスラームの内在的な論理を理解することの重要性について触れ、世界宗教・文明としてのイスラームの発展のバックボーンを知ることで、異文化理解ではなく日本人が多様化しているという観点から理解することが必要になっていると述べた。