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第1回連続公開講演会「法華経展とその世界――思想と伝播の系譜から」
◆開催日:2021年11月20日
◆方式:YouTubeライブ配信(オンライン)
連続公開講演会「法華経展とその世界――思想と伝播の系譜から」開催趣旨
講演内容は「東洋学術研究」に掲載予定
古川洋平氏は、創価大学大学院の後、大阪大学大学院にて文学博士号を取得。初期仏教を専門とし、古代インドの言語であるパーリ語の経典を中心した語彙の研究を行っている。それとともに、仏教における信心の在り方とその働きについてのアプローチをしている。東洋哲学研究所においては、第1研究部門「仏教学の研究」のうち第2プロジェクト「法華思想の研究」に所属し、創立者・池田大作先生が掲げる法華経の研究も精力的に行っている。
講演では、初期経典はインドの伝統的な仏教(部派仏教)に伝承されていたものであるのに対し、法華経は大乗仏教の代表的な経典の一つと言及。両者には結びつきが認められ、具体的には法華経が初期経典に説かれている釈尊の事跡を下地として、それを捉え直す中で成立していることについて述べた。そして「初期経典は、伝統仏教に伝えられる律・経・論の三蔵に含まれ、各部派が各々に伝持していたものです 。現在我々が手にしている経典は、法華経と同じく、当初は口伝され、後に筆写が加わる形で伝えられてきたものです。その間には当然、口承過程での改変、記憶違い、書写間での書き間違いをはじめとする様々な変化を被っていると考えられます」と論究した。
そして「法華経の『誰もが仏になれること』は、誰もが犯すことの出来ない尊厳性を有しているということです。東洋哲学研究所では、法華経の誰もが仏に成れるという教えを生命尊厳としてとらえ、法華経展をはじめとして、法華経の説くこの普遍的な思想を現代社会に広く浸透させていく運動を展開してまいりました。あわせて、当研究所の創立者である池田大作先生もまた、世界の識者などとの対談の中で法華経の現代的意義を常々強調されてきたのです」と強調した。