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連続公開講演会第3回「経済倫理と宗教」(金山権・桜美林大学大学院教授)

◆講師:金山 権氏(桜美林大学大学院教授)
◆開催日:2018年11月22日
◆会場:TKP市ヶ谷カンファレンスセンター(東京・新宿区)


講演内容は「東洋学術研究」に掲載予定




 金山氏は、日本大学大学院経済学研究科で学び、経済学の博士号を取得。早稲田大学等で教壇に立ち、現在、桜美林大学大学院で教授を務め、中国企業行動研究やアジア企業研究などを進めている。

 
 講演では、中国と儒教の基本的な概念を紹介し、「儒教は、楽観的な人間至上主義であり、中国で社会に多大な影響を与えた宗教です。この宗教の起源はキリストの約500年前に生まれた孔子と言う人まで遡り、道徳的行動と生活についての教えであり、宗教というよりも道徳観と捉えられます。儒教は、孔子とその弟子達が創成した宗教(思考、信仰)、哲学で、人として五常を守り、五倫との関係を維持していきましょうという教えのことです。学問としては儒学、哲学としては儒家思想とも言い、道教とともに中国の宗教と言えます」と述べた。

 さらに「『経済倫理』は、『経済』について『倫理』という視点から考察するものです。一般的な定義では、経済とは、人間の生活に必要なものを『生産』し『流通』させ『消費』するという活動、あるいはそうした活動を通じて形成される人間関係です。倫理とは、人間が社会の一員として守るべき『ルール』のことなのです」と強調。近年、中国では儒教に対しての再評価が進み、国学や古典を学ぶブームが引き起こされている事実に触れて、「中国の儒教を中心とする伝統倫理も時代の変化に適応しなければならないし、グローバル化への対応の中で、現代企業倫理を築くことが企業統治構築の前提ともいえる重要な試みである」と語った。そして、中国が発展している世界の先頭に立って伝統倫理の揚棄に積極的に取り組もうとする姿勢を示唆していることは望ましいが、その行方を興味深く見守っていきたいと望んだ。

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