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連続公開講演会「地球文明への道」
◆講師:モンテ・カセム氏(立命館大学国際平和ミュージアム館長、同大学特命教授)
◆開催日:2015年10月29日
◆会場:梅田スカイビル(大阪・北区)
講演内容は「東洋学術研究」に掲載
モンテ・カセム氏は、スリランカ出身で、建築学・都市工学などを専門とし、東京大学大学院を修了。立命館アジア太平洋大学学長、立命館大学副総長などを歴任した。さらに、国内の大学として初となる平和ミュージアムの館長に就任し、平和・教育や環境問題などに取り組んでいる。
講演では、「いのちは、私や東洋哲学研究所が取り組んできた研究のなかでも、大切なテーマだと思います」と述べ、「人間はなぜ、いがみ合い、分裂をしていくのかと思うのです。なぜ、一緒に力を合わせて生きていけないのか。科学者である私は、微生物などをはじめ生命に多く触れてきました。その経験から言えるのは、いのちは、逞しいものです。自分のいる環境で一生懸命、生き残る努力をするのです」と言及。国連職員として12年勤める間、知性の必要性を深く実感し、「真の知性とは芸術に通じ、理性と感性を合わせ持つものです。そして、皆様と同じように哲学を持つことです。目の前の現実の解決法が、正しいかそうでないかを判断するために、必要なのです」と語った。そして、科学者たちが「地球の未来」について論じ合っていることに触れ、科学の分野だけでなく、あらゆる分野の知性を結集し、持続的に未来を生き抜くための方途を探ることが重要であると指摘した。
そして、「地球の源となるいのちを大切にすることが、社会を変革し、平和を築く基本となるのです。私は、平和とは何かと問われた時、戦争が無いことではありませんと答えます。では何が平和かと言えば、それは、いのちを喜び、いのちを祝える社会が生まれていることなのです」と語った。