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連続公開講演会「地球文明への道」

◆講師:シェリル・デーシャ氏(クイーンズランド工科大学理工学部上級講師)
◆開催日:2014年10月2日
◆会場:日本青年館(東京・新宿区)


講演内容は「東洋学術研究」2014年第2号に掲載



 デーシャ氏は、ローマクラブ共同会長で環境学者のエルンスト・U・フォン・ヴァイツゼッカー博士とともに、『ファクター5 エネルギー効率の5倍向上を目指すイノベーションと経済方策』を著した環境科学者である。

 講演で氏は、「ファクター5の目的は、全体的なシステム改革をすることによって、人々に希望を抱かせることです。私たちは、テクノロジー、インフラストラクチャ―、法的基準、教育、文化的慣習などが全体的システムとして相互に作用をすることで、『健全な環境を保全しながら経済発展が可能である』ことを実例をもって示そうとしているのです」と語った。


 氏は、力のある政府と熱心な市民が協力して、市場の為に善意の法律とモラルの枠組みを作る必要があると強調。「ファクター5では、グリーン・イノベーションの波を主流にする為の枠組み条件として、政治、経済学、心理学の面から省エネルギーと再生可能エネルギーを訴えています」と述べた。
 さらに、21世紀の人類に与えられた試練は、最大100億人までの人類が「繁栄しつつ惑星地球に住み続ける」ことを可能にする挑戦なのですと述べるとともに、「それは、全ての生命に良き環境を取り戻すことでもあり、人類のみならず地球のシステムの実質的改善に貢献するものです」と言及した。
 そして、「問題の解決には、新時代にふさわしい経済と政治のリーダーシップが必要です。それとともに、ファクター5の考え方が、世の中の主流となっていくことが不可欠なのです」と望んだ。
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