【シリーズ7】『英国・アイルランド王立アジア協会所蔵 梵文法華経写本(No.6)―ローマ字版』
「法華経写本シリーズ7」として刊行された本書は、我が国の南條文雄と笠原研寿が世界最初の梵文法華経校訂本である「ケルン・南條本」(1908─1912年に4分冊でロシアのサンクトペテルブルクで発刊)の手書き原稿を作成する際に、底本として1880年頃に最初に書き写した紙写本である。
その後、系統が異なる写本がテキストの校合のために無原則に使用され、「ケルン・南條本」を見ただけでは、底本となった本書の読みの原形はわからなくなってしまった。
今回の「英国・アイルランド王立アジア協会本」のローマ字化は、この底本の〝失われた原形〟を明らかにするものであり、法華経写本研究の基礎作業として不可欠の課題であった。「ケルン・南條本」の発刊以来、およそ100年にして成し遂げられた快挙である。ローマ字版の原稿は、小槻晴明氏(東洋哲学研究所委嘱研究員)が、5年の歳月をかけて完成させた。
小槻氏は、「鳩摩羅什が西暦406年にインドの梵語から中国語に翻訳した『妙法蓮華経』は、1600年にわたる深い研鑚と実践錬磨を経た今日、平和と人道の翼を備えるSGI(創価学会インタナショナル)運動の土台として、新たな研究を待っています。今回のローマ字版が、その新たなステージ開幕の一翼を担うことを祈ります」と語っている。
『英国・アイルランド王立アジア協会所蔵 梵文法華経写本(No.6)―ローマ字版』
発行者:創価学会
編著者:小槻晴明(東洋哲学研究所委嘱研究員)
発行日:2007年(平成19年)3月30日
ISBN:978-4-88417-016-5
原典所蔵ならびに協力:英国・アイルランド王立アジア協会
写本系統:ネパール系紙写本
ページ数:244+xxxvi
出版形態:日本語、英語
非売品
略号一覧
凡例
- ローマ字版
- 序品
- 方便品
- 譬喩品
- 信解品
- 薬草喩品
- 授記品
- 化城喩品
- 五百弟子受記品
- 授学無学人記品
- 法師品
- 見宝塔品
- 勧持品
- 安楽行品
- 従地涌出品
- 如来寿量品
- 分別功徳品
- 随喜功徳品
- 法師功徳品
- 常不軽菩薩品
- 如来神力品
- 陀羅尼品
- 薬王菩薩本事品
- 妙音菩薩品
- 観世音菩薩普門品
- 妙荘厳王本事品
- 普賢菩薩勧発品
- (嘱累品)
参考文献