「法華経――平和と共生のメッセージ」展(関西)

 

関西展

●概要

●新聞報道から


概要

  

「法華経――平和と共生のメッセージ」展が、神戸市の関西国際文化センターで開幕したこれは、本年迎えた「東洋哲学研究所創立50周年」を記念する展示会であり、創価学会との共催で行うものである。
 開幕式は、8月23日、同センターで行われ、中国・敦煌研究院の樊錦詩院長、同研究院考古研究所の劉永増所長、兵庫県立美術館の木村重信名誉館長、大阪大学の塩原勉名誉教授ら来賓170人が祝福した。

法華経は古来、「諸経の王」とたたえられ、大乗仏教の最高の経典として広く信奉されてきた。「万人が平等に仏になれる」という思想を、多くの譬喩や多彩なイメージで説き明かし、民衆に希望と励ましを与え続けてきた経典が法華経である。
  展示会では、現代社会にも光を与える「平和と共生」の法華経のメッセージを、豊富な写真・イラスト・関連文物・ビデオなどを通して、わかりやすく紹介するとともに、法華経の伝播・継承の歴史を貴重な写本類(複製)などとともにたどっている。
 ロシア科学アカデミー東洋古文書研究所所蔵の法華経写本(複製)、本年発刊されたばかりの『インド国立公文書館所蔵 ギルギット法華経写本――写真版』をはじめとする「法華経写本シリーズ」、世界の研究機関から寄せられた法華経文物、法華経をモチーフにした敦煌壁画の写真やシルクロード遺跡の写真なども紹介している。
 また、映像コーナー(「法華経流布の歴史」「法華経の七譬」「鳩摩羅什」など)、関西出身の漫画家・手塚治虫氏の『ブッダ』の原画(複製)コーナーも設置してある。

◆主催:東洋哲学研究所、創価学会

◆後援:中国・敦煌研究院、ロシア科学アカデミー東洋古文書研究所、インド文化国際アカデミー

◆会場:関西国際文化センター(神戸)

◆会期:8月25日(土)~11月4日(日)の土・日・祝日

◆開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで) 

 

 

左から創価学会の谷川副会長、兵庫県立美術館の木村名誉館長、敦煌研究院の樊院長、大阪大学の塩原名誉教授、東洋哲学研究所の川田所長(同センターで)

 


 新聞報道から

(聖教新聞2012年8月25日付)

 

関西国際文化センターで開かれる〝法華経展〟。かつて、同センターを訪れた中国の国学大師・饒宗頤(じょうそうい)氏は、法華経如来寿量品第16の「我浄土不毀」(我が浄土は毀れず)の経文を踏まえ、語った。
 「最も感動したことは、神戸の方々が大震災を乗り越えて、美事に復興されたことです。そして大地震を経ながらも、希望のシンボルとして、創価学会があのように素晴らしい文化の城を築いたことです」と。
 法華経の平和と共生のメッセージ。それは大震災の苦難を乗り越えてきた神戸で、いやまして輝きを放つ。展示では、法華経等の写本(複製)が伝わった〝奇跡の歴史〟が紹介されている。
 その一つ、ロシア科学アカデミー東洋古文書研究所が所蔵する法華経写本「ペトロフスキー本」は、第2次大戦中、ナチス・ドイツの攻撃から護り抜いた〝人類の至宝〟だ。
 サンクトペテルブルクに立つロシア科学アカデミー東洋古文書研究所は、ナチスの攻撃が迫る中、写本群の保護に全力を注いだ。それは900日にも及ぶ命懸けの闘争だった。
 また、創価学会が進める「法華経写本シリーズ」の14点目となる『インド国立公文書館所蔵 ギルギット法華経写本――写真版』も展示。ギルギット写本群は、約1400年もの間、地下に眠っていた。6~7世紀ごろ、書写されたと推定され、その中の法華経写本は、まとまったサンスクリット法華経写本としては、最古の部類に入る極めて貴重な資料である。
 さらに展示では、こうした文物に加え、池田名誉会長と深い親交を重ねた敦煌研究院の常書鴻名誉院長や范興儒画伯による絵画、敦煌莫高窟の仏教文化・芸術も幅広く紹介。法華経流布の歴史等を解説するシアター、漫画家の手塚治虫氏の『ブッダ』の原画(複製)など、約150点に及ぶ展示品は、〝法華経研究の集大成〟と呼ぶにふさわしい内容となっている。

 23日の開幕式典では主催者を代表して創価学会の谷川副会長、東洋哲学研究所の川田所長があいさつした。
 来賓の敦煌研究院・樊錦詩院長が祝辞に立った。院長は「池田名誉会長と長年にわたって築いてきた友誼の絆によって、敦煌研究院が本展開催に尽力することができ、大変にうれしく思います」と述べた。
 内覧会では、兵庫県立美術館の木村重信名誉館長が「扇面法華経冊子」(平安時代、東京国立博物館所蔵)のパネルの前で足を止め、語った。
 「宮中や貴族を描いたこの時代にあって、普通の人々の生活が表現されています。これは、法華経の信仰が、庶民にまで広まっていたことを示す貴重な事実なのです」   

          

 


中国・キジル石窟院の「若き羅什」像(この「法華経の漢訳者」の像と同形の高さ60センチの像が展示されています)と、法華経薬草喩品の「三草二木の譬え」」などをモチーフにした敦煌莫高窟の壁画(第23窟北壁 盛唐、模写)

 

    

 

 

 

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