「法華経――平和と共生のメッセージ」展(東京)


 東京展

 ●概要

 ●新聞報道から


概要

 「法華経――平和と共生のメッセージ」展の国内初開催となる「東京展」の開幕式典が3月24日、会場の創価大学池田講堂(八王子市)で行われた。
 同展は、本年迎えた「東洋哲学研究所創立50周年」を記念する特別展。午後4時半からの式典には、インド文化国際アカデミーのロケッシュ・チャンドラ理事長、インド国立公文書館のムシルル・ハサン館長、国立民族学博物館の加藤九祚名誉教授をはじめ各界の来賓約150人が出席。法華経に関する文物を中心とした「人類の精神遺産」約150点を鑑賞した。一般公開は、3月25日から5月6日まで(4月1~4日は休展)。
 
 開幕式典では、主催者を代表して東洋哲学研究所の川田所長が、また創価学会の原田会長があいさつした。来賓のインド国立公文書館のムシルル・ハサン館長は「東洋哲学研究所は、仏教の普遍的価値を浮き彫りにし、人類の精神的遺産の一部とすることに献身されています。その50周年ならびに、この歴史的な展示会を祝福いたします」と述べた。国立民族学博物館の加藤九祚名誉教授は、「法華経は時間と空間を超えて、現代に生き続けています。本展を通して、この『希望の経典』が多くの人々に親しまれることを願ってやみません」と語った。 
 
◆主催:東洋哲学研究所
◆後援:ロシア科学アカデミー東洋古文書研究所、中国・敦煌研究院、インド国立公文書館、インド文化国際アカデミー、創価大学、創価学会
◆会場:創価大学池田記念講堂(東京・八王子)
◆会期:3月25日(日)~31日(土)/4月5日(木)~5月6日(日)(4月1~4日は休展)
◆開館時間:午前11時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

 新聞報道から

 (聖教新聞2012年3月25日付)

 

  鑑賞していた、インド文化国際アカデミー理事長のロケッシュ・チャンドラ博士の足が止まった。博士は、仏教研究の世界的権威である。 
 その展示コーナーのテーマは、インドから中国、そして日本へと至る「法華経流布の歴史」。目の前には、十数㍍もの経典のほか、破損や欠損しながらも後世に仏の魂を伝え残した経典の数々――。 
 博士は語った。「人類を覚醒させ、人間が人間らしく生きるということを想起させる展示です。法華経の歴史・伝統を集大成したものといえるでしょう。東洋哲学研究所創立者の池田大作博士のもと、人類に平和創造の価値を伝え、生き方を見失った青年たちにエネルギーを送る、素晴らしい試みです」 
 人類ヒューマニズムの精華であり、万人成仏を説き明かした「諸経の王」法華経。名誉会長と幾度となく語らいを重ねてきた博士の言葉は、創立50周年を迎えた東洋哲学研究所が企画した今回の〝法華経展〟の意義を代弁していた。 
 
 同研究所が進める仏教研究のなかでも、同展の開催は「法華経写本シリーズ」の編集とともに、大きな機軸となってきた。これまで、香港、ネパール、インド、ブラジル、イギリスなど、世界8カ国・地域で開催。仏教研究者など多くの学識者が鑑賞し、反響を広げてきた。 
 今回の〝法華経展〟では、「世紀の発見」と呼ばれる「ギルギット法華経写本」(複製)が展示されている。 
 カシミール地方で1300年ぶりに発見されたもので、白樺の樹皮に丁寧に書写されている。書かれた年代は、6世紀から7世紀頃とされる。仏教写本の中で最も古い時代のものの一つとされる、極めて貴重な資料である。
 
  また、中国語、モンゴル語、チベット語、古ウイグル語、ホータン・サカ語、西夏語など、諸言語に訳された法華経をはじめ多数の写本を展示。信奉した民族の多様性と、その広がりが実感できる。 
 さらに、「飛天」「敦煌莫高窟」などの仏教文化・芸術に光を当てて紹介している。 
 今回は、シアター・コーナーも開設。法華経の七譬や、法華経の漢訳者・鳩摩羅什の生涯を分かりやすく映像で紹介している。 
、漫画家の手塚治虫氏の『ブッダ』の原画(複製)も公開するなど、名実ともに〝法華経を知る〟魅力の内容となっている。 
 

 

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