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「法華経――平和と共生のメッセージ」展(マレーシア・ジョホールバル展)が開幕

イスラーム文化圏であるマレーシアで「法華経――平和と共生のメッセージ」展のジョホールバル・SGIアジア文化教育センター(ACEC)での展示会が10月18日一般公開され、20日に開幕式が開催された。

ジョホールバル展は、2014年2月のマレーシア総合文化センター、2024年9月のイスラーム思想・文明研究所(ISTAC)に続くもの。会場となったACECが立つのはマレー半島最南のジョホール州の州都ジョホールバル。隣国シンガポールに接し、両国での往来も陸路で頻繁に行われている。現在両国は共同で総額10兆円、計画人口300万人という大都市をジョホールバルに建設するという壮大なプロジェクト「イスカンダル計画」が進行し、目覚ましい発展を遂げている。

展示会には約200点の写本の複製、仏教芸術に由来する文物などが出品された。同展の後援団体には、ISTAC展から新たに観光・芸術・文化省国家遺産局が加わっている。展示会場の入り口には鮮やかな記念ボードが設置。マレーシアでの展示パネルは、多民族国家に配慮し、全て英語・中国語の2言語で表記・説明がなされている。

1階の最初のスペースでは、創立者・池田SGI会長が法華経展を構想した意義と、世界の各学術・研究機関との交流や学識者との宗教間・文明間対話の軌跡が紹介されている。2階の「多様な言語の経典」コーナーには、アジアの各地で発見された貴重な経典写本や写本を記すために使用された筆や紙などの複製品、「法華経写本シリーズ」を展示。敦煌研究院の協力により実現している「法華経の七譬」では、植物などが周囲に置かれた「山草二木」、炎を模した糸が垂れ下がる「三車火宅」などが表現されている。中国・唐時代に作られ、法華経の各章を見ることのできる「法華経変」が描かれた莫高窟85窟の再現も行われた。さらに、子どもの来場者を対象にアショカ大王の改心の表情を作るパズルや、カニシカ王が仏法を広めた歴史を体験するすごろくなど、16種類のゲームコーナーが設けられた。

開幕式には、ジョホールバルの政財界、教育・学術界をはじめ、主賓として、ジョホール華人尊長でスルタナ・ファティマ財団のデイビッド・ウォン会長、マレーシア国際イスラーム大学前学長のタン・スリ・ダト・ズルキフリ・アブドゥル・ラザク名誉教授をはじめ、SGM、シンガポール創価学会(SGS)のメンバーなど650人が出席。オンラインでも配信され、1500人が視聴した。式典ではマレーシア国歌斉唱の後、主催者を代表してSGMの許錫輝理事長、東洋哲学研究所の小関博文常務理事が挨拶。マレーシア国際イスラーム大学前学長のズルキフリ・アブドゥル・ラザク名誉教授が祝辞を述べた。そして、オープニング・アトラクション、記念品贈呈に続いて、SGMの青年メンバーによる記念演奏と舞踊が披露された。

終了後の参加者の内覧会に続き、法華経展開幕の記念講演会が行われた。ここでは、東洋哲学研究所の蔦木栄一委嘱研究員が「法華経展とイスラーム文化」をテーマに発表した後、梶川貴子研究員が「仏教と女性」と題して講演を行った。この日、マレーシア最大の中国語紙「星洲日報」や「中国報社」、英字紙「ザ・スター」などマスコミ各社が取材に訪れた。同展は12月29日まで開催する(入場無料。月曜休館)。

なお、東洋哲学研究所の最新情報やお知らせは公式Instagramにて公開・発信している。アクセスはこちらから。

 


<ジョホール華人尊長 
スルタナ・ファティマ財団のデイビッド・ウォン会長

法華経展の印象は素晴らしく、もっと時間をかけて全てを見たいと感じましたが、短時間でも非常に感銘を受けました。特に仏教の伝播の歴史と教え、とりわけ平和に関する教えに感銘を受けました。この展示会がマレーシアで開催される意義は平和にあると考えています。平和を達成するには時間が必要ですが、私たちはその方向に進んでいると思います。

 


マレーシア国際イスラーム大学 タン・スリ・ダト・ズルキフリ・アブドゥル・ラザク名誉教授

私は、平和について単に語るだけでなく、行動で示すことが重要だと考えています。私たち教育者は、「人間化教育」を推進すべきです。現代の教育は経済的成功を重視しがちですが、より良い人間を育てることこそが本当に必要なのです。ガザやウクライナでの紛争を見ると、平和実現への継続的な努力がまだまだ必要だと感じます。私たちは人類のために共に働きかけなければなりません。この法華経展を通じて、平和への理解が深まることを願っています。

 


<観光・芸術・文化省国家遺産局 
エヨ・レン・ヤン センター長

法華経展は非常に貴重なものだと感じました。以前は法華経についてあまり知識がありませんでしたが、展示を見て理解が深まりました。これは私たちのルーツについても教えてくれるもので、過去と現在から未来へとつながる学びがあります。特に印象に残ったのは敦煌莫高窟の芸術と絵画です。それらは多様な文化や背景を持つ人々の人生の旅を表現していると感じました。

 

◆主催:東洋哲学研究所、敦煌研究院、マレーシア創価学会(SGM)

◆企画・制作:東洋哲学研究所

◆後援:ロシア科学アカデミー東洋古文書研究所、インド文化国際アカデミー、マレーシア国民統合省、マレーシア観光・芸術・文化省国家遺産局、国際イスラーム思想・文明研究所(ISTAC)、マラヤ大学文明間対話センター(UMCCD)

◆会場:SGIアジア文化教育センター(ジョホールバル)

◆開催日:2024年10月18日~12月29日(月曜休館)

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