「法華経――平和と共生のメッセージ」展(タイ)

タイ展

●開幕式の概要

東南アジアの仏教国であるタイで、「法華経――平和と共生のメッセージ」展の開幕式が5月3日、バンコク近郊ノンタブリー県のタイ創価学会本部で行われた。

同展は、東洋哲学研究所が企画・制作し、タイ文化省、世界仏教徒大学、タイ創価学会が共催として行われた。また、展示物出品にあたっては、後援団体のインド文化国際アカデミー、中国・敦煌研究院、ロシア科学アカデミー東洋古文書研究所の全面的な協力があった。


 展示会には、約160点を出品。仏教流伝の歴史を紹介するコーナーでは、パネルとともに映像を使用し、大乗仏教がインド、西域から中国、韓・朝鮮半島、日本へと伝わっていった事実だけでなく、タイ、カンボジア、インドネシアなどにも広がっていることを紹介した。

また、ペトロフスキー写本、ギルギット写本などの法華経写本(複製)や、ガンダーラ語の「法句経」(複製。1~2世紀書写)をはじめ、上座部仏教の経典を記す際に使用されるパーリ語の経典写本(複製)も出展。さらに、世界の学術機関から贈られた貴重な文物などを公開した。また、敦煌莫高窟のコーナーでは、「法華経変」が描かれた第85窟や敦煌の九層楼を再現するなど、”目で見る法華経展”にふさわしいレイアウト・デザインとなっている。



 開幕式には、ウィーラ・ロートポッチャナラット文化大臣、ノーラニット・セータブット世界仏教徒大学評議会議長、ノンタブリー県のニシット・ジャンソムウォン知事ら来賓、タイ創価学会の代表など650人が出席。盛大にテープカットを行った。開幕式典・展示会の模様は、国営放送NBT、TV3、TV5をはじめ、タイポスト、マティチョン紙、デイリーニュース、クルンテープ・トゥラキット、サヤーム・トゥラキットなどが相次いで報道し、大きな反響を呼んでいる。
 

訪れた来賓は、次のような声を寄せている。

<タイ文化省 ウィーラ文化大臣>

「法華経――平和と共生のメッセージ」展に主催者として出席できることは、大いなる喜びであります。
 タイ文化省の主たる責務の一つは、宗教、芸術、そして文化を保護・継承し、発展させていくことです。世界各国で開催されてきた本展を、タイ創価学会と共催する意義が、そこにあります。本展は、仏教の経典である「法華経」に説かれる人間主義の思想を学び、理解を深めていけるものです。さらに、宗教の保護や共存と調和の美しい文化を広めゆくことを可能にします。タイ国民にとって、大変に良い機会であります。

善良な社会をつくり、人々に徳を持たせ、調和と統合をもたらすことでしょう。それは、プラユット・ジャンオーチャー首相が提唱するタイ王国の今後のビジョンとも一致するものです。タイ社会に〝善と美〟を威風堂々と広げるタイ創価学会をはじめ、各共催団体の皆さまと共に、文化省の名において、本展が大成功されますことをお祈り申し上げます。




<世界仏教徒大学 ノーラニット評議会議長>

大乗仏教に流れる仏教の重要な精神を、タイ社会に広く流布するため、タイ創価学会、東洋哲学研究所、そして、文化省と共に、「法華経――平和と共生のメッセージ」展の実現に協力できました。これ以上の喜びはありません。

世界仏教徒大学と同研究所は、これまで連携を深めながら、仏教におけるさまざまなテーマを掲げて、催しを開いてきました。今回の展示会は、他では決して見ることのできない人類の文化遺産とも言える品々を、世界各地から集めております。それらを通して、タイの人々が仏教の教えをより深く学べる良い機会になると確信します。

わが世界仏教徒大学は、本展を通して、そうした学びの場をさらに提供し、仏教の知識をより広く、深く流布していければと考えております。なぜならば、それが私ども世界仏教徒大学の創立の精神であり、タイ社会にあっても有意義であると考えるからです。

本展が大成功するよう、心からお祈り申し上げます。そして、展示会をご覧になる皆さまが、幾多の歴史を経て残されてきた遺産と歴史に触れ、展示会のテーマである〝共生〟を自らの生活に体現していかれることを、心から念願いたします。



◆主催:東洋哲学研究所、タイ文化省、世界仏教徒大学、タイ創価学会

◆企画・制作:東洋哲学研究所

◆後援:ロシア科学アカデミー東洋古文書研究所、敦煌研究院、インド文化国際アカデミー

◆会場:タイ創価学会本部(バンコク近郊ノンタブリー県)

◆開催日:2017年5月3日~6月28日

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