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中国・世界宗教研究所と共同シンポジウム


◆テーマ:現代社会と宗教
◆主催:中国社会科学院・世界宗教研究所、東洋哲学研究所
◆会場:中国社会科学院(中国・北京)
◆開催日:2009年10月13、14日


世界宗教研究所と共催の「日中共同シンポジウム」は、今回で4回目。第1回のテーマは「『法華経』の歴史的意義と二十一世紀における役割」、第2回は「大乗仏教と現代文明」、第3回は「現代文明と宗教対話」であった。今回は「現代社会と宗教」をテーマに、調和と共生を志向する現代社会に対して、宗教の使命と可能性を探った。仏教学者の楼宇烈北京大学教授など70人以上の研究者が出席した。

シンポジウムには、東洋哲学研究所の創立者である池田大作SGI会長がメッセージを寄せた。そのなかで池田会長は、中国の建国60周年の佳節に意義深きシンポジウムが開かれたことを祝福。中国が提唱している「調和世界」建設の理念や青年・文化交流に対する展望に触れ、中国文化の「調和・共生の精神」が、仏教の「縁起・共生」の思想と響き合っていると論じた。さらに、文化、教育、学術、政治や経済など、あらゆる次元において日中両国が交流を結ぶ必要性を強調。シンポジウムという学術交流を通して、人類のための「知的創造」の果実を実らせることを念願した。

10月13日に行われた開幕式では、主催者を代表して、世界宗教研究所の卓新平所長(全国人民代表大会常務委員、中国宗教学会会長)、東洋哲学研究所の川田洋一所長があいさつした。

続いて、中国仏教文化研究所の楊曽文所長(中国社会科学院栄誉学部委員)が「中日の仏教学者は両国の世々代々の友好のためにより多くの貢献をなすべきである」と題して特別記念講演。日中の文化交流に仏教が重要な役割を果たしてきた歴史に触れ、今後も仏教文化交流をたゆみなく進めたいと述べた。

この後、2日間にわたって、以下のように発表が行われた(順不同)。

  • 魏道儒(世界宗教研究所研究員)「中国仏教と現代社会――太虚・印順を中心として紹介」
  • 何勁松(同研究員)「玄学・禅学の合流と書法芸術の自覚――禅意としての書画の現代的意義」
  • 張志剛(北京大学宗教文化研究院院長)「宗教の社会的役割と文化的機能の再認識――宗教と冷戦後焦点となった国際問題から生じた理論を省察して」
  • 川田洋一(東洋哲学研究所所長)「仏教に見る共生の思想――その現代的意義をさぐる」
  • 菅野博史(同主任研究員)「『法華経』における地涌菩薩について――現実世界への関与」
  • 山本修一(同主任研究員)「『持続可能性』と仏教:『人間の生活の質』と『幸福度』の視点から」
  • 前川健一(同研究員)「近代日本における法華経解釈:小林一郎と戸田城聖の場合」
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