2024. 11. 16
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ロシア科学アカデミー哲学研究所と共同シンポジウム
◆テーマ:世界の諸文化の中の仏教
◆主催:ロシア科学アカデミー哲学研究所、同研究所東洋哲学センター、東洋哲学研究所
◆会場:モスクワ・ロシア科学アカデミー哲学研究所
◆開催日:2008年9月11、12日
ロシア科学アカデミー哲学研究所は1929年の創立。ロシアの哲学研究分野の中核的機関であり、280人の研究員を擁する。
シンポジウムは11日、アブドゥサラム・グセイノフ所長のあいさつで開幕した。所長は、「世界の人々が21世紀の精神に合致していくためには、仏教への理解が不可欠である」とし、仏教の倫理的世界観研究の意義を語った。
東洋哲学研究所の川田所長のあいさつに続いて、2日間にわたり各研究者の発表が行われた。
最後に東洋哲学研究所ロシア・センターの江藤幸作センター長があいさつ。また「閉会のあいさつ」に立った哲学研究所・東洋哲学センターのマリエッタ・ステパニャンツ・センター長は、同研究所がユネスコ・チェア「文化間対話における哲学」を推進していることを紹介した。ユネスコ・チェアは、ユネスコ(国連教育科学文化機関)が国境を超えた知識の交換を促すために1992年から展開しているプログラムであり、このシンポジウムもその趣旨にそったものである。
さらにセンター長は「仏教は暴力や軍事力を使わずに世界宗教となった唯一の例である」とし、「非暴力」「他宗教への敬意」「開かれた柔軟性・包括性」などの特長をもち、「異なる文化や宗教をもつ人々を対話・交流させていく」優れた特性をもっているゆえに、多くの人々が仏教に学ぶべきであると語った。
両研究所の研究員らによる発表は以下の通り。
9月11日
- 江口満 「トルストイの宗教観と池田思想」
- 川田洋一 「仏教史のなかのSGI―その思想基盤―」
- ニコルスキー・S 「19世紀ロシアの世界認識にみる仏教理解」
- コブゼフ・A (ロシア科学アカデミー東洋学研究所) 「中国のトリピタカ(『大蔵経』)」
- ルイセンコ・V 「インドの哲学的伝統の発展における仏教哲学の貢献」
- カナエワ・N 「インド瑜伽行派におけるKalpanaとVikalpaの概念」
- アナシナ・M 「中国仏教にみる環境倫理の諸側面」
- レペホワ・S(ロシア科学アカデミー仏教学研究所) 「ブリャート・モンゴル文化の伝統にみる仏教」
9月12日
- ヴォロビヨワ=デシャトフスカヤ(ロシア科学アカデミー東洋古文書研究所) 「法華経と現代文化の諸問題」
- 二宮由美 「仏教と女性観」
- レペホワ・E(ロシア科学アカデミー東洋学研究所) 「近世・前近世の日本天台宗における菩薩僧の解釈」
- 小林正博「日蓮仏教の報恩観」
- カレーロワ・L 「日本仏教における『報恩』の教えと勤労倫理形成におけ るその役割」
- 前川健一 「鎌倉仏教と現代:日本的在家仏教展開の起点として」
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