「ロシア科学アカデミー東洋学研究所」と共同シンポジウム
◆テーマ:人類的課題と宗教
◆主催:ロシア科学アカデミー東洋学研究所サンクトペテルブルク支部、東洋哲学研究所
◆会場: 東洋哲学研究所ロシア・センター(ロシア・サンクトペテルブルク)
◆開催日:2006年10月3、4日
共同シンポジウムは、両研究所の「交流協定10周年」を記念するもの。
この10年、両研究所は共同研究や法華経写本の発刊(東洋学研究所所蔵の西夏文「妙法蓮華経」の写真版)を行うとともに、東洋学研究所所蔵の法華経写本を公開した「法華経とシルクロード」展を東京、ドイツ、オーストリアで開催するなど、世界の仏教研究への貢献に努めてきた。
「人類的課題と宗教」をテーマにした今回のシンポジウムには、東洋哲学研究所の創立者であり、東洋学研究所の名誉会員でもある池田SGI会長がメッセージを寄せた。メッセージで池田会長は、恩師である戸田城聖創価学会第2代会長の言葉「仏教は、人類のため、全世界の民衆の幸福のための大法である。ならば、人類のかかえる課題の一つ一つは、そのまま仏教者の避けがたいテーマとなるはずである」を紹介。宗教間の対話こそが人類社会の進むべき王道を開拓していくのであり、その意味で、このシンポジウムが平和への「英知の光源」となってほしいと期待を寄せた。
両研究所の研究者による発表は次の通り。
10月3日
イリーナ・ポポワ
「東洋学研究所(サンクトペテルブルク)による仏教文献の収集」
V.I.ルドイ
「大乗仏教と法華経」
川田洋一
「法華経に見る平和思想」
E.P.オストロフスカヤ
「法華経と世親の『瑜伽師地論』」
大島京子
「平和の文化と平和に対する仏教思想」
T.V. エルマコワ
「法華経と在家信徒」
栗原淑江
「日蓮仏法の思想と女性」
S.H.ショマクマドフ
「日蓮の宗教政治思想――仏教的王権論の中での位置づけ」
10月4日
A.S.マルチュノフ
「人間性の概念: 孔子から孟子へ」
山本修一
「仏教と環境教育」
K.G.マランジャン
「伊藤仁斎――徳川時代における儒教と仏教をめぐって」
山崎達也
「東方キリスト教神学と仏教」
E.U.ハルコワ
「チベットと観音信仰」
M.I.ヴォロビヨヴァ=デシャトスカヤ
「仏教の現代的意義と池田博士の行動」
※「東洋学術研究」第45巻2号で、発表論文を抄録しています